成功報酬制とは?
成功報酬制の定義
よく使われる熟語で一見、判りやすい用語にも見えますが、実際には何の意味もありません。はっきり言ってこのような語句は無いのと同じです。
「成功報酬制」の言葉は多くのデータ復旧業者のサイトの特徴欄に掲載されています。
「成功報酬制」も「作業報酬制」も特に定義さえもありません。
言葉の曖昧さを利用してサイトの広告に利用されているだけなのです。
詳細に説明されているデータ復旧業者のサイトが殆どない事をご認識下さい。
一見、「成功報酬制の業者」は「作業報酬制の業者」よりユーザーの立場にたった良心的な業者のように見えるかも知れませんが、実際にはそんな事は無く、どちらも一長一短なのです。
そもそも、「成功報酬制」と記載されている業者でも、実際には「成功報酬制」ではない業者が殆どのようです。
データ復旧業界では、詐欺まがいの業者が多数存在します。売り上げの大小には全く関係ありません。
但しこれだけはご理解頂く事が重要です。
当店の成功報酬は
- 成功報酬制を希望されるお客様へは、受付時に成功の条件を個別に契約させて頂きます。但し契約内容を説明してもご理解頂けない方が多いのが現状ではありますが・・・
- 違いをご理解頂けないお客様は、[おまかせ]をご選択頂き、[当店が復旧済と判定したファイルを納品]がお薦めです
- 条件を指定されないで契約された場合、「当店へお任せ」となります
- 契約条件を満たした場合は納品させて頂きます
- 条件を満たした場合、お客様都合のキャンセルができません。
- 条件を満たさない場合はキャンセルとなります
- 作業報酬制を希望されるお客様へは可能な限り[メリット]と[デメリット]を説明します
- メモリーメディアの場合、復旧率自体が計算できません
- 詳細に説明すればする程、話がややこしくなりますので、適度に説明させて頂きます。
業者により異なる成功の定義
「成功報酬=安心」と勘違いされるユーザー様が多いようです。
そこには「落とし穴」がある事をご存じですか?
復旧業者が言う「復旧成功」の定義とユーザー様が想像してある「成功」との間にはギャップがあるのです。
以下に各データ復旧業者毎の違いをご紹介させて頂きます。
A社:完全成功報酬制
作業が完了後、リスト(ファイル名の一覧)がメールで提供されます。
[ご注文]か[キャンセル]かはユーザー様の判断となります。
リストにファイル別の[復旧の可否]又は[破損率]が掲載されますので、オープンテストは行われません。
なお、キャンセル料の有無とは別条件です。
B社:完全成功報酬制(少ない)
作業が完了後、ファイルリスト(ファイル名の一覧)がメールで提供されます。
[ご注文]か[キャンセル]かはユーザー様が判断できます。
もしユーザー様が数ファイルの動作テストを希望されれば対応されます。
C社:成功報酬制(最多)
リスト提供まではA/B社と同じです。
ユーザー様がファイルの動作テストを希望されても対応されません。ファイルが開くかどうかは復旧業者は関係ない、という考え方です。但し、この理論が間違いではなく正しいのです。でも一般のユーザー様は理解が困難な点でしょう。
D社:成功報酬制(少ない)
[復旧成功]か[復旧不可]かは、データ復旧業者の基準により一方的に判定され、リストは提供されません。
これでも「成功報酬制」とされています。USBメモリーのコネクタ破損修理が得意なデータ復旧業者はこれが多いようです。
E社:成功報酬制
お申込み時に[復旧を希望されたいファイル名]をご申告する事ができます。
そのファイルの全数が再利用できた場合が成功となります。
申告ファイル数は申し込み時に契約されます。
F社:成功報酬制(悪〇業者)
基本はE社と同じです。
1ファイルでもデータ復旧できた場合成功となりますが、[再利用できる]か[再利用できない]かは関知されません。その1ファイルがゴミファイルであっても成功となる点は要注意です。
G社:成功報酬制
基本はE社と同じです。
1ファイルでも再利用できる場合に成功となります。
H社:作業報酬制(カメラ店)
結果の可否に関係なく復旧料金が請求されます。基準は様々で復旧作業に要した人員数×日数等。納品可能なファイル数やデータ量によっても変動するようです。
I社:個別契約制
復旧成功の条件は個別に契約されます。このメニューはユーザーも復旧業者もお互いにメリットと安心が得られるでしょう。但しユーザー様の知識レベルによってはハードルが高い方も多いでしょう。
ファイルの整合性について
「データ復旧サービス」では、[ファイルの整合性]を保証されていません。
物理的、又は、論理的に壊れているメディアからファイルを取り出しますので、壊れているファイル(開けなかったり、文字化けしている等、Excelデータは計算式が消失していたり、文字の色やセルの色が黒一色だったり等)はそのまま納品されます。
「壊れていたファイルを修復するサービス」と勘違いされているユーザー様が一定数いらっしゃいます。
データの特性上、納品後に返品を受ける業者は私は1社も知りません。
どうしても特定のファイルが必要な場合には[データ復旧サービス]の他にオプションとして[ファイルの修復サービス]をご注文頂く必要があります。対象はExcel/Word/PowerPoint/JPG画像/動画等。
整合性の定義
ユーザー様から見た場合の整合性は、一口で表現しますと[ファイルが再利用可能な状態か、不可能な状態か]というとても重要な要素なのです。
専門用語となりますが、ファイル毎のハッシュ値を計算・比較すればある程度は判明します。ツールが無い訳ではありませんが、その情報を提供されている業者はないでしょう。
データベースの整合性
データ復旧後のファイルを納品しますと、ユーザー様から[復旧できていないファイルが存在する]という問い合わせを頂く事があります。
開けない場合の対処
対処1:ソフトウェアの昨日の中に[修復]や[最適化]と書かれた項目がありますから実行しますと回復する事が多いです。但し実行の前にバックアップを保存する事をお勧めします。
対処2:データ修復サービスを行っている業者に依頼する。
データベースが利用されているソフト
Access
マイクロソフト社から提供されており、Office Proに含まれます。最も小規模のシステムで利用されています。
MySQL
ホームページ等のwebサーバーで利用されています。WordPressやMobable Tipe(MT)等。
SQL Server
マイクロソフト社から提供しています。会計ソフト等。
Oracle Database
オラクル社から提供されている大規模なエンタープライズ環境で利用されています。
重度物理障害:復旧ファイル数によるキャンセル目安
再利用可能なファイル数 | キャンセル | 説明 |
5,000個未満 | 〇 | 全ファイルのリストの中からオープンテスト指定可 |
~1万個 | △ | 申込時に個別契約 |
~5万個 | ✕ | 基本的に納品 |
~10万個 | ✕ | 基本的に納品 |
*個別契約
重度物理障害:復元率によるキャンセル目安
復元率 | キャンセル | 説明 |
90%未満 | 〇 | 全ファイルのリストの中からオープンテスト指定可 |
~95% | △ | 申込時に個別契約 |
~99% | △ | 申込時に個別契約 |
99%以上 | ✕ | 基本的に納品 |
*個別契約
超重度物理障害:復元率によるキャンセル目安
復元率 | キャンセル | 説明 |
50%未満 | 〇 | 正常ファイルのリスト提示
エラーファイルのリスト提示 |
65%前後 | △ | 申込時に個別契約 |
80%以上 | ✕ | 成功・納品 |
*個別契約